以前、糖質依存のお話をしました。
砂糖の過剰摂取には十分気を付ける必要があるのですが、料理にたくさん使用されている砂糖を使わない・食べないというのは非常に難しいです。『これくらいなら…』と減量を試みても、実際はかなり摂取してしまっていて、依存から抜け出すのが困難になることが多いです。『依存=どうしても食べたい』という気持ちが落ち着くまでの期間、頑張って糖質を断つのは必要なことですが、継続するためには実際どのような方法があるのでしょうか。
目次
- 甘味とは
- 過剰摂取から適切な摂取量へ
- 砂糖の代替え品
- 1.米飴
- 2.甘酒・甘麹
- 3.黒砂糖
- 4.きび糖・甜菜糖
甘味とは
人は食べ物から栄養を得て活動しています。味覚はその素材が毒なのか、体に必要な栄養源かを判断する基準の一つです。
味覚には『甘味』『酸味』『塩味』『苦味』『旨味』がありますが、生きていくために不可欠なエネルギー源である糖については『甘味』を感じるようになっています。甘味=エネルギー源を摂取することによって、脳内では快楽物質が放出されるため、動物は糖質を本能的に求めて食べています。
砂糖を使用しない料理は、やはり物足りなさを感じてしまいがちになります。それは、この摂取することによる『快楽』が得られないためです。
過剰摂取から適切な摂取量へ
現代は砂糖という精製された濃い糖分を多量に取り込み続けていることで、この快楽の感知機能が鈍感になっています。本来活動するために必要な糖質をクリアしても、もっともっとと欲する摂取欲が続いてしまっています。
この鈍感になってしまった感知機能を正常に戻すために、なるべく未精製の粗い糖質からゆっくりじっくり摂取するようにすることが良いのです。急激な短時間の快楽ではなく、満腹とともにじっくりゆっくり感じる快楽へ変化させることで、砂糖による急激な血糖の上昇を『異常なこと』と感じられるようになります。
血糖の急激な上昇は、強い眠気や倦怠感、イライラとした情動の変化といった症状を表します。
砂糖の代替え品
それでは、実際に料理をするときに代替えできるものを紹介していきたいと思います。
1.米飴
水飴にも種類があります。主に米水飴・麦芽水飴・玄米水飴です。米飴は蒸した米と麦芽を混ぜ、麦芽の持つ酵素で米のでん粉を糖化させたものです。麦芽水飴も製法は違いますが、麦芽と米で糖化されたものです。これらの糖質は体内で分解がゆっくり進み、血糖値の上昇も緩やかになります。
一般的な無色透明の水飴というのは、でん粉を酸や糖化酵素で糖化した甘味料で、人工的に製造されたもので、米飴とは別物ですので注意してください。
【米飴のメリット】
・コクが強い
・風味が良い
・料理に照りを出す
・保水性がある(しっとりとした仕上がり)
・栄養価が高い
・血糖値の上昇を緩やかにする
【米飴のデメリット】
・価格が高い
・売られていないスーパーもあり、入手に手間がかかる
・使用に手間がかかる(室温が低いと固まりやすい)
2.甘酒・甘麹
甘酒は「白米と米麹」を混ぜ発酵させて、麹の酵素分解によりお米の中の澱粉をブドウ糖に変えてくれるものです。
優しい甘味血糖値の上昇も緩やかにしてくれます。
甘麹というのは、甘酒のように炊飯したお米を加えず、麹に同量のお湯を加えて発酵させることで、より濃く甘味の強いものです。甘麹を薄めて甘酒にすることも可能。甘酒として飲みたい場合は、炊飯したお米を加えて薄まった状態でも十分な甘さを感じますが、料理で砂糖がわりに使用する場合には甘麹を使用する方が良いです。
麹はどんどん発酵が進みます。発酵が進むと乳酸が発生して酸味が強くなります。そのため、ご家庭で甘麹や甘酒を作ったら、冷凍して小分けに分割しておくと使用しやすいく便利です。
甘麹・甘酒として販売されているものもありますが、ヨーグルトメーカーや発酵器があれば簡単に多量に作ることができるので、とても安価になりお勧めです。
甘酒や甘麹は、タレやお汁を濁らせてしまうためあまり向きません。しかし、肉や魚の漬け込みでは、麹の成分で柔らかくしっとりした質感に仕上がり美味しくなります。
3.黒砂糖
白砂糖と同様に使用できるため、手間がかからず便利です。
白砂糖は精製過程で栄養素はほぼ失われていていますが、黒砂糖は精製前の状態のため、ミネラルやビタミンなど栄養素が含まれています。栄養素が含まれる分、独特のコクや風味があります。糖度としては、素色砂糖よりは劣ります。
サラサラに保つために加工されたものも販売されていますが、未精製の黒砂糖を加工処理しているだけなので、栄養素・糖質の種類としては黒砂糖と同じです。
しかし、三温糖は同じように茶色い色をしていますが、これは精製された糖なので、黒糖のような未精製の栄養素を含んだ粗い糖分とは異なります。血糖の上がり方も白砂糖とほぼ変わらないので、黒砂糖とは違うので注意してください。
4.きび糖・甜菜糖
きび糖や甜菜糖は、白砂糖とあまり変わりません。黒砂糖はサトウキビから抽出した糖分丸ごとを煮詰めてできたもので、きび糖はもう少し精製されている状態です。
白砂糖よりミネラルなどを含みますが、精製過程の糖質なので、血糖値の上昇は白砂糖に近いです。
甜菜糖は、きび糖よりも血糖値の上昇が緩やかです。
糖質依存から抜け出すためには、未精製の自然な甘味を馴染ませることが重要と考えられます。そのため、きび糖や甜菜糖は『血糖値の上昇抑制の目的』で白砂糖より効果的というくらいで、糖質依存から
抜け出すためには、あまりおすすめできません。
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