今日は、お料理について。
料理には飾り包丁や隠し包丁といって、食べる人のためにそっと手を加えることがあります。それは華やかさを与えるだけでなく、食べやすく美味しくなるようにという工夫です。
日常のご飯は手間なく簡単にすることも大切ですが、ちょっと手を加えてみるのもとてもいいなと思います。
お弁当に入れたときに可愛くなったり、嫌いな食べ物も『ちょっと食べてみようかな』っていう気にさせてくれたりする。そういう作り手のちょっとした心遣いと共に、日常に美しさを感じられるというのもとてもいいと思うのです。
日常にある美
暮らしの中には、実はとてもたくさんの美が溢れています。食べることも、掃除することも、着替えることも、いろんな瞬間にある美にどれほど注目できているでしょうか。
浮世絵というものがあったように、日本人は人々の日常の中にたくさんの美を持っていたんだなと思います。そして、それを普通に楽しんでいたのだろうなと思うのです。
絵でさえ特別なものではなく、版画としてたくさん生産して、日常に取り入れていた民族。一点物の価値ではなく、日常に取り込む価値を大切にしていたのかなと思います。
日常に溢れる美に意識を持つというのは、当たり前の感覚として身についているのかなとも思います。
だから、食事の準備の時にそっと飾り包丁を入れて添えたくなる。
そういう意識がとてもいいなと感じています。
無駄をなくす工夫も大切
飾り包丁などで出た野菜の屑も無駄にせず、うまく活用することも大切なこと。
大根の皮やにんじんの皮、削ぎ取られた野菜のかけらの部分もその食感を活かして一品料理にしていきます。
コリコリした食感が活かされたきんぴらは本当に美味しいです。
ゴマ煎り器
さらに、私が好きな調理器具の一つに『ゴマ煎り器』があります。
豆やゴマなどを入れてカラカラに煎る道具です。殻のあるものはパチパチと弾けるので、飛び散らないようになっています。
また、取り出すときは取っ手部分からサーっと出せるという、この形も大好きです。
この器具を使って、カラカラパチパチと煎ったばかりのゴマで胡麻和えにしたり、出来立てのきんぴらなどにかけて食べると、香ばしくてとても美味しいです。
料理の時に出る音もとってもいい物ですよね。
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