解熱鎮痛薬の使い方

心と身体のこと

身体の痛みって、辛いですよね。

昨日の打撲…
毎月の生理痛…
気圧による片頭痛…
熱っぽい身体のだるさ…
お酒の飲み過ぎでの頭痛…

いろんな痛みがありますが、そんなときに飲む薬はどんなものでしょうか??

解熱鎮痛剤の種類と効果

主に使用される解熱鎮痛剤は
アセトアミノフェン非ステロイド性の抗炎症薬になります。

①アセトアミノフェン
カロナールやアンヒバがこれに当たります。
(PL顆粒というお薬にはアセトアミノフェンとアスピリンが混ざっています)

この薬の効果は、脳が痛みを感じる閾値(最低ライン)を引き上げることです。
痛みに対する感受性を鈍感にして痛みを和らげるのがこのお薬。
そして、熱に関しては血管や汗腺を広げ、体外へ熱を逃すことで解熱します。

アセトアミノフェンは、比較的優しいお薬として知られてます。
副作用も少なく、小さなお子様にも処方されます。
また、市販薬にも使用されていることが多いため、処方薬と併用して
お薬の濃度が濃くならないように注意が必要です。

②NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
アスピリン・バファリン・ボルタレン・イブプロフェン・ロキソニンが、
これに当たります。
市販薬:コンタック・ナロンエース・プレタール・ノーシン・ストナ

この薬の効果は、炎症が起きた場所で、痛みを伝える物質(プロスタグランジン)が作られるのを抑えます。痛みを神経を通して脳に伝えるための物質が作られるのを抑制するため、強い解熱鎮痛効果があります。
プロスタグランジンは炎症の広がりとともに増えるので、痛みが強くなる前に飲むのが効果的です。

〈副作用〉
胃腸障害(NSAIDs潰瘍)
腎機能障害
心血管系障害
アスピリン喘
一部の抗菌薬(ニューキノロン系抗菌薬)と一緒に飲むと痙攣

※インフルエンザ感染の場合※
インフルエンザによる発熱の場合には、②の非ステロイド性抗炎症薬は使用禁止になります。インフルエンザ脳症などの引き金になることがあるため、十分注意しましょう。
疑わしい場合には、病院受診をして、市販薬をどうしても使う場合にはアセトアミノフェンを使用するようにしてください。

解熱鎮痛剤の使用

鎮痛剤は、痛みや発熱による身体の疲労を軽減するためにとても効果的です。
痛みによる体力の低下
痛みによる姿勢の歪み
痛みによる睡眠障害
痛みによる精神的負荷

痛みによる様々な症状を軽減しながら、大元の炎症の原因を改善するために
解熱鎮痛剤を使用することは大事なことです。
鎮痛剤は痛みを取り除くもので、炎症の原因自体が取り除かれたことではないので、
そのことを忘れてはいけません。痛みを引き起こしている原因はなんなのか、
どうすれば改善できて、これからの予防策はなんなのかを考えましょう。

また感染症による発熱の場合には、感染の拡大の恐れもあるので、
解熱だけして普段通りに生活をするというのはやめましょう。
十分な休息と自己免疫を上げるための食事など、自己管理を見直して、
体の害になった菌をいち早く排出できるようにする必要があります。
コロナの感染拡大によって、感染予防や体調不良時の出校・出勤停止等で、
風邪症状がある時の対応対策の意識も変化してきたと思います。
予防や拡大防止といったことを意識して、病気にならない身体づくりと
調子が悪いという体からのサインに敏感になって、未然に防ぐ(未病)の意識を
しっかりと取り入れていきましょう。

解熱鎮痛剤の代替え法

漢方でも解熱鎮痛効果のあるものがあります。
特に聞いたことのある薬としては、葛根湯ではないでしょうか?この葛根湯は、古代中国の漢時代に書かれた『傷寒雑病論』にすでに掲載されていたそうですよ。

西洋医学では熱が出ると『解熱する』という対症療法なので、解熱鎮痛剤としては同じ処方になります。そこに抗生物質を使ったり、その他の症状があればその症状に対する薬を処方します。
それに対して漢方では、症状を抑える薬というより、症状の原因に対しての体の対応力を高めるための薬を当てはめるというような感じでしょうか。

葛根湯で言えば、体を温めるという効果が高いです。
発熱しそうな体に対して温めるというのが不思議な気がしますが、体内に菌が入り悪さをする場合、その菌自体をやっつけなくてはいけません。その対応として発熱(体温上昇)があります。それを自力でしようとするときに、体を震わせて体温を上げる悪寒という症状が出るのです。

この悪寒がある場合の対処として、体内温度を自然とあげてくれるお手伝いをしてくれるのが葛根湯になります。さらに節々の痛み(関節痛)まで伴うような時には、もっと強力な麻黄湯という漢方薬を使います。
葛根湯も麻黄湯も主薬は「麻黄」で桂皮(=シナモン)と合わせて体表を温める作用があり、その作用で悪寒による発熱を助け、かぜのウイルスを追い出します。
※悪寒のない発熱や発熱してからは、葛根湯や麻黄湯では体力消費につながるので注意です※

このように、西洋医学ではかぜを引いて発熱するのは身体の防御(免疫)機能が働いているからで、発熱は良いことである。だから高熱でないかぜの熱には解熱剤は使わないということになってきました。熱が悪いものではなく、体にとって必要な防御反応であるという認識になった時、漢方薬もその効果や考え方の成り立ちに対し大きく見直されたそうです。


その他、
喉の痛みに対して、
鼻詰まりに対して、
頭痛に対して、
肩こりに対して、
生理痛に対して、
それぞれ漢方薬がありますので、体質や体調など総合的に見て、自分に合ったお薬を備えておくといいですよね。

私は基本的に葛根湯と麻黄湯を常備していて、なんとなく調子が悪くなってきたら、すぐに服用します。体内温度を上げて寝れば、菌が少ないうちに自然免疫でやっつけられるので、少しの対処で十分効果を得られます。まさに未病です。



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