お味噌づくり

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今日はお味噌づくりについて書きたいなと思います。

味噌って、みなさんどうしてますか?
昔は、味噌ってとても身近なものだったと思うのですが、今は毎日味噌汁飲むっていう人も減ってきているのかなと思います。
だから、味噌の消費量自体が減っていたりするのかもしれませんね。

だけど、やっぱり味噌汁って日本のソウルフードだと思います。
保育園で働いていた時、子供たちが大好きなのは汁物で、味噌汁は汁だけは全部飲むっていう子がほとんどでした。中に入っている具材は残しても、汁だけはちゃんと飲めて、ご飯も一緒に食べられるのです。

私も、子供が産まれてからは毎朝味噌汁を作っていたなと懐かしいです。
離乳食にもしやすいですし、発酵食品でいろんな具材を入れて栄養価も上げやすく、何より食べやすい。だから、大好きでとても重宝していました。

その頃、ちょうどご近所で味噌づくりの教室をされている方がいて、参加しました。その時に思ったのが、こんなに簡単なの??ということ。

材料を揃える手間や、大豆を煮る時間がかかったりはするものの工程自体は簡単で、しかも美味しく仕上がりました。それから約6年間、毎年お味噌は自分で作るようになって、定番の米味噌・料理にコクを出してくれる八丁味噌・なぜか懐かしい味に仕上がる麦味噌など、いろんな配合で試したり、自家製味噌でご飯作れることや、お裾分けするのが嬉しかったり、楽しい思い出がいっぱいでした。

それから、しばらく作っていなかった手作り味噌ですが、今年はまたやりたい気持ちが湧いてきて、作ってみました。

お味噌づくりに必要なもの

【材料】

  • 大豆 1kg
  • 米麹 2kg
  • 塩  590g
  • 煮汁 480cc

乾燥大豆1kgで上記の配合で作ると、出来上がりは約5.2kgです。
味噌の材料としてはこれだけなんです。
麹はスーパーで袋詰めされたものが売っていますが、麹屋さんがご近所にある方は、ぜひ生の出来立て麹を使ってみてください。麹がしっかり呼吸しているんだなーと、ありありと分かる元気な生きた麹で作ると、とても風味の良い生きたお味噌に仕上がります。

上記のお味噌の配合は、麹の通販をされている池田屋醸造さんの配合を参照させていただきました。この配合で作って、我が家のお味噌はいつもとても美味しいお味噌に仕上がっています。


私は米麹が多めの、甘い米味噌が大好きですが、大豆と塩を多めにすると市販の味噌の味に近い感じに仕上がったり、少しづつ自分好みの配合に調整していけるのも自家製味噌のよいところです。
配合を自分で調整する際には、麹や塩の分量が少ないとカビが繁殖しやすくなりますので、減塩味噌を作りたい場合には十分塩分量に気をつけてください。手作り味噌の場合は、大体一年間の熟成で食べられる塩分濃度10%〜12%程度のものが多いです。

必要物品】

作る分量によって、必要物品の大きさも変わってきますが、大体乾燥大豆1kgで作ると、家庭でいつも使っているようなボウルや鍋では無理が出てくるので、適した容量のものを準備していきましょう。

  • 大豆を煮る鍋(圧力鍋)
    作る味噌の量によりますが、1kgの乾燥大豆を戻すと結構な量になります。
    6ℓくらいの鍋が必要です。
    圧力鍋の場合、煮る時間がかなり短縮されます。普通の鍋では4〜5時間くらいかかります。
  •    ビニール袋     又は   フードプロセッサー
  •     たらい      又は   大きなステンレスボウル(直径40cmくらいのもの)
  • チャック付きビニール袋  又は   プラスチック樽 
  • アルコール度数35%以上の米焼酎やホワイトリカー(容器の消毒用)

味噌を仕込んでいく容器や混ぜ合わせるボウルなどは、熱湯消毒・自然乾燥またはアルコール度数35%以上のホワイトリカーなどでしっかり消毒しましょう。熟成期間が長いため、カビの繁殖予防は入念にしておくほうが安心です。

お味噌づくりの手順

では、味噌づくりの手順に入ります。
時間はかかりますが、一つ一つの手順・工程自体はとてもシンプルで簡単です。

【大豆を茹でる】

  1. 大豆1kgをよく洗い、水に10~15時間つけます。その際水は3倍以上の高さで浸すこと。
  2. 鍋にふやけた大豆を入れ、新たに水をひたひたより5cm程の高さに調整。沸騰したら灰汁をとって蓋をします。通常4〜5時間かかります。吹きこぼれに注意して火加減を調整してください。(圧力鍋の場合は、沸騰し灰汁をとって蓋をし、シューっとなり始めてから弱火で30分が目安)
  3. ザルにあげる前に、煮え具合の確認をします。親指と小指の腹で潰して大豆がネチッとつぶれればOK。パカッと割れる場合は再度煮直します。10粒程度チェックして8粒が煮えていればOKです。
  4. うまく煮えたらザルの下に煮汁を受け止める容器等を置いて、大豆と煮汁ともに必ず30℃以下まで冷却します。大豆が冷たくなる分には大丈夫ですが、熱すぎると麹が弱ったり、失敗する原因となります。
  5. 粒が残らないようにフードプロセッサーなどでペースト状になるまでよく潰します。ビニール袋に入れて手や足で踏んでつぶすのも簡単です。柔らかく煮てあるので、足で踏むと早くまんべんなくしっかり潰れてくれます。
煮上がった大豆を冷まして、袋に投入
空気を抜いて袋を閉じます
足で踏んで簡単に潰れてくれます

【材料を混ぜ合わせていく】

・乾燥大豆 1kg
・ 米麹  2kg
・  塩   590g
・ 煮汁   480cc

これらを計量して準備しておきます。
煮汁は多めにとっておきましょう。全てを混ぜた後に硬さをみて、煮汁の量を調整します。

  1. 麹と塩をボウルに入れ、ムラなくなるよう混ぜます。麹が固まっているときはほぐします。
  2. 30℃以下に冷ました煮つぶし大豆を加え軽く混ぜ合わせます。温度が低い分には問題はありません。
  3. 30℃くらいまでに冷ました大豆の煮汁を円を描くように加え、下からすくって、上から押さえるように力をこめて全体にむらがなくなるまで混ぜ合わせます。
  4. 十分混ぜ終わったら、ボウル内で固めるように押し固め味噌団子を作ります。
  5. 米味噌の場合は、割ると“パカッ”と割れるくらいの硬さでちょうど良いです。
  6. 味噌団子を一つ入れては、げんこつで押し込み、だんご間の隙間もうめてしまいます。隙間はカビの原因となりますのでしっかりうめましょう。
    この配合は水分量が少なめなので、しっかり押し込みながら隙間を埋めていきます。水分多めの場合は、容器に投げ入れることで空気を抜いていくこともできます。
麹が固まっている部分をほぐしながら
混ぜていきます
潰した大豆を加え、混ぜ込んでいきます
これが、味噌団子

味噌団子を全て入れ終わり、表面を平らにならしたら、表面のカビ対策をしていきます。

ぎゅっぎゅっと押して空気を抜きながら、押し固めるように入れていきます。

▲カビ対策▲(カビが生えた場合も取り除いた後同様の処置をする。)
カビに備えて霧吹きでアルコール度数の高い米焼酎やホワイトリカーを薄く吹きかけます。
または表面に薄く化粧塩をする。容器の周辺にカビが発生しやすいため、周りには多めに塩をします。

少し時間が経ったので中央は化粧塩が溶けていますが、満遍なくうっすら白くなるくらいに振りかけます。

※熟成後は表面にカビが生じていることもありますが、その部分を取り除けば内部は問題なく食べられます。カビの発生がなくても表面約1cm程度は風味が落ちているので、取り除きます。

カビ対策をしたら、次は蓋をしていきます。


プラダルやタッパー仕込  
表面全体を覆うようにぴっちりとラップを張る→重石を乗せるための内蓋(皿でも可)をのせ→味噌重量約1/3の重石(塩や砂糖の袋で代用可)する。

ラップを表面にピッタリとかけます
重石を均等にかけるための内蓋(お皿)
お皿の上に重石を置き、全体を袋で覆っています。この状態で一年熟成。

チャック付きビニール袋で仕込
ビニール表面のしわになってる部分にカビが生えやすいので指でならす→空気をしっかり抜いてチャックする。袋を逆さまにした状態でチャックをかけると、空気を抜きながらチャックがかけやすい。


ビニールでの仕込みは挑戦したことがありませんが、小分けに仕込んでおけば便利かもしれないですね。密閉しやすくカビの繁殖も抑えられそうです。今回少量をビニールにしてみようと思いましたが、忘れてしまったので、次回改めて挑戦してみたいと思います。

手作り味噌の熟成と管理

熟成期間は夏仕込2~3ヶ月冬仕込3~6ヶ月

お味噌の熟成を進める理想の温度は27度と言われています。
温度が15℃以下では熟成がすすみにくいそうです。

家庭での味噌作りにおいては、お味噌も人と同じくらいの室温で過ごせるのが一番いいようです。でも、気温・室温を保つことはなかなか難しいので、私はあまり気にしていません。
台所の隅に置いてあって、寒い冬も、程よい春も、暑い夏も乗り越えて、とても美味しくなっていくので、冬に仕込んで、暑い夏を越えるまでは我慢して熟成を待ちます。
そうすれば、とってお美味しいお味噌になってくれています。


私は夏ごろに一度切り返しといって、味噌を容器から取り出して、もう一度入れ直すという作業をします。これをすることで、空気に触れやすい部分と触にくい部分の発酵度合いのムラを均等にすることが出来ます。容器はアルコールで消毒して、入れ直します。
このように、梅雨時時期のカビが発生しやすい時期に一度手を加えておくことで、カビの繁殖を抑制できます。カビが発生するとどうしても風味が損なわれますので、丁寧にこまめに気にかけて都度お手入れをしてあげることをお勧めします。そうしていくうちに、さらに自分のお味噌が可愛くなってきます。

   この切り返しの時に、ちょっと味見を。まだ熟成過程なので、塩っぱさが強かったりしますが、
   それでも、麹の風味がふわりと香る美味しいお味噌になってきていることが確認できますよ。

私の味噌づくり 

火の通り方

私は、天火オーブンの記事でも書きましたが、じっくり火を使って調理をすることが好きです。
だから、じっくり炭に火を起こして、鍋でコトコトとお豆にじんわりと火が通っていくのを待つ時間もとても好きです。
他のごとをしながら・・・、
本を読みながら・・・、
傍に鍋のかかった七輪があって。
時々、火加減と火の通り具合を見ながら過ごす。

もう、至福の時間だなと思います。

今回は、乾燥大豆1kgでの仕込みだったので、土鍋を2個とカセットコンロ一台で、一時間ごとに片方の土鍋を火にかけ、もう一方は保温シートと毛布でおくるみにしておくという、とっても手間だけど節約の方法で5時間ほどじっくり煮た大豆で仕込みをしました。

熱するということにも、いろんな方法があると思います。同じように熱を加えることだけど、その方法によって、味にも影響が出ると感じます。

私は薪で熱したお風呂も大好きで、給湯器で沸かしたお湯なんかよりもずっと柔らかくてぎゅっとエネルギーが詰まっていて。そういうエネルギーが凝縮しているようなお湯の中で温まると、身体の芯までぽっかぽかで、なかなか冷めません。そういう心地よさやエネルギーが詰まってくるような感じが幸せホルモンを出してくれるような気がします。

同様に、心地のいい熱で熱せられた食材は、やっぱり本来のおいしさをぎゅーっと閉じ込めたまま煮上がっていくんじゃないのかなと思います。だから、手間が掛かっても時間が掛かっても、じっくりコトコトを選ぶことが多いです。

本当は、麹も麹菌とお米から仕立てて、そんなお味噌を作ってみたいなと思っています。
こういう保存食づくりは、みんなで仕込むのも楽しいです。みんなのワクワクした気持ち『美味しくな〜れ』という想い。そういう場の雰囲気が一緒に込められていくというのが、料理のいいところで。一緒に熟成されて、美味しさに繋がっていくのだと思います。


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