夏の養生について
これから迎える夏という季節は、漢方で『熱・心・喜・苦味』が影響をし合う時期と言われます。
夏は植物が大きく育ち、生き生きとした季節ですよね。人も新陳代謝が活発になり、体内に蓄えられていたエネルギーを発散させていく時期になります。
そんな夏は体内に熱や湿気が篭りやすく、その影響で『心』が活発に働き興奮に近い状態が続くことで体の症状が出やすいです。春は神経の高まりからくる興奮状態でしたが、夏は外の環境が体の働き自体に影響して引き起こす過活動状態が症状の引き金になるようです。
【 夏に多い症状 】
・動悸や不眠
・身体のだるさ
・食欲不振
睡眠について
人は眠る時、体温が上がり心地よくなって眠っていくと思われます。
寝ている時の赤ちゃんの手足はポカポカ温かいですし、
冬に湯たんぽを入れるとホカホカしてきて、心地よい眠りにつきやすいです。
このホカホカの状態、実は身体の奥の方の深部体温は下がり、体表の温度は深部の熱の放散でホカホカしている状態なのだそうです。このように熱の放散がうまく出来ないと、熱が体内に篭り興奮状態が続いてしまう為、心地よい眠りの障害になってしまうんですね。
春の睡眠障害は、肝の弱りによる自律神経の乱れが大きな要因でした。
夏の睡眠障害は、外気温などの環境が体温調節機能を乱すことが要因となります。環境調節を適切にすることで、しっかり休養し体調管理していきましょう。
夏の食養生
体内に溜まりやすい熱を冷ましてくれるのは、苦味食材!!
にがうり・ピーマン・ミョウガ・緑茶
夏を代表する野菜のゴーヤやピーマンは苦味食材の定番ですね。
緑茶も身体を冷ますのに効果的なので、飲み物に取り入れていくといいですね。冷たい飲み物を欲する時期ですが、あまり身体を冷やしすぎるのは内臓の動きを弱めてしまいます。温かな緑茶で急激な冷えは予防しつつ、その食材の効果で緩やかに冷えとりできるとより身体に優しいです。



汗のかき過ぎを予防してくれるのは、酸味食材。
梅干し・レモン・酢
北海道ではハスカップが有名です。小粒ですがとても酸味の強い実で、夏の時期を乗り切るための効能がたくさん。ジャムや塩漬けにして保存しておくといいですよ。
本州ではなんといっても梅でしょうか?梅ジャムや梅ジュース、梅酒に梅干し、色々と加工して保存するのも楽しいですし、とっても元気をくれます。
我が家では新生姜を梅酢に漬けて紅生姜をたくさんつけています。
柔らかな新生姜は一日漬けただけでも美味しくて、食欲のない夏の朝にはこれでご飯を食べるとモリモリ食べれたりします。ぜひ参考に🎵


汗をかくことは体温調節機能が働いている証拠です。でも、汗のかき過ぎは脱水や熱中症リスクが高まります。室温調節やこまめな水分補給と共に、酸味食材を取り入れるのも効果的です。
今年は気温が安定せず、暑い日や少し肌寒い日が続いています。
酸味食材はストレス解消効果もあり、自律神経を整えてくれるので温度差が不安定なこういう時期にもいいですね。
青梅やカボスの香りと共に、爽やかな酸味を感じると気分もすっきりとしてきます。
〈 薬味の活用 〉
先日、魚屋さんで美味しそうなカツオのお刺身が売っていました。
旬のカツオは手頃な価格で買えて、その上臭みもなく美味しくて嬉しいです!
そんなカツオですが、やっぱりマグロとは違うので子供たちは少ししか食べません。
そこで、手こね寿司にしてみました。
子供たちに薬味の香りは強過ぎて食べられないので、漬けダレに大葉と生姜を入れて少し風味をつけただけにしました。
私は新生姜・大葉・ミョウガの薬味もたっぷりに混ぜ込んで食べました。薬味の爽やかな香りとカツオの風味が物凄く美味しくて、この季節がきたな〜って嬉しくなりました。

薬味の香りは食材の臭みをとる効果だけではなく、鬱々とした気分を晴らしてくれたり、イライラを鎮めてくれる効果もあります。季節の味を食卓の中で楽しみながら、心身のバランスを調整できるってすごく大事なことですよね。
陽の高まる季節
暑さが増してくるこの季節は、陽の気が高まり神経も昂りやすく、
この時期の五志(感情)は『喜』と表現されます。
『喜』の感情は良いものと思われがちですが、
「喜=興奮性」が高すぎると『心』に負担がかかります。
身体が昂りやすいこの時期こそ、ゆっくり休息を取ることを意識する必要がありそうです。
その一つとして、香りは本能的にリラックスへ導いてくれるので、手軽で良いアイテムの一つです。
また、抗菌効果の高いアロマは、菌の繁殖の活発になるこの時期にとても有効に働いてくれます。
【 アロマの活用法 】
・ロールオンスティックで、いつでもどこでも使いやすい。
→気になる汗の匂いなどの体臭予防にも便利です
・バスオイルでリラックスUP
→夏もお風呂に浸かることで身体の疲れを解消でき、神経も鎮まりやすいです
・寝具に精油を垂らして芳香を楽しむ
→寝る時の香りを決めると、その香りを嗅ぐことで安心し入眠できるようになります。また、寝具の清潔保持も期待できます。
身近な薬草も役立つので、煮出してハーブをーターにしたり、アルコール漬けにしたチンキを作って肌ケアに取り入れるというのも良いです。
今年はチンキを取り入れて、スプレーや化粧水に活用できたらいいな〜と考え中。
摘みたての生き生きした植物は、触れてるだけでパワーをくれます。

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