旧暦のお正月を迎えました。
昨日は1月22日、旧暦の元旦でした。日本は太陽暦に切り替わるまで、太陰暦と言われる「月の満ち欠け」で暦を捉えていました。そのため、元旦となった昨日は新月の日です。
そして、旧暦では月の満ち欠けによる数え方をするため、季節を捉えるために二十四節気・七十二候という目安を設定していました。これは、太陽の動きによって季節の目安を表したもので、冬至・夏至・春分・秋分で四分割。そこに立春・立夏・立秋・立冬を加えた八分割。さらにその八分割の間を三分割し、季節の移り変わりを二十四節気で観ていたというものです。
その二十四節気で言えば今は大寒(だいかん)と言われ、いよいよ寒さの極へ向かう期間と言われます。
ちょうど今週は大寒波が来ると言われていますよね。
大寒波到来
そんな大寒の始まりに、ちょどやってくる大寒波。
今年は暖かくて雪も少なめに感じていた札幌市内でしたが、一月に入って雪が増えてきました。
昨日は川の氷が一気に増えていて、寒さが増してきているのを感じます。
こういう季節や気候の移り変わりを、今は天気予報で情報として知ることができます。
それを、太陽の動きやその土地の風土を感じながら予測をし、季節行事や風習として残されていることにもとても興味があります。
その時期に取り入れた方がいいこと・仕込んだ方がいいもの、それらは理にかなったものもとても多いなと感じることがありますよね。それに、季節や節目を意識的にすることで、何か気持ちの切り替えになったり、行動のきっかけになったりしますし、それが気持ちの安定にも繋がっていくこともあるので、うまく取り込んで活用できるといいなと思います。
麹を楽しむ時期に
冬になると出てくるのが、生麹の販売です。
秋に収穫したお米をお酒にしたり、麹にしたり加工する時期になって、そこからお味噌を仕込んだりする時期になるため、生の麹が出てきます。
今は年中手軽に使える乾燥麹が出てきたので、いつでも麹を取り入れ発酵食品を楽しめます。そんな扱いやすい麹ですが、生の麹は放っておくとどんどん発酵が進んでいくので、消費期限が短くて、販売している時期も冬場の時期に限定されているところがほとんどです。そんな生麹ですが、やっぱり風味が豊かで柔らかな味わいが出て、私は大好きです。
- 味噌
昨年は久しぶりにお味噌を仕込みましたが、生麹ではなくて乾燥麹で初めて作ったので、そのせいなのかやっぱりフルーティな感じの味わいが薄く感じてしまいました。ぜひ、お味噌は生麹で作ってみてほしいです。 - 甘酒
冬といえば甘酒というくらい、寒さで冷えた体を温めてくれるので、この時期にはピッタリの飲み物です。甘酒には米麹と炊いたお米で作れる甘酒と、お酒を作る際に出てくる搾りカスの酒粕を溶いて甘味を加えた甘酒とあります。アルコール分の含まれた酒粕甘酒が私は好きですが、そこに麹甘酒の甘みをブレンドすると、お砂糖を減らせるしとってもあったまる最高の甘酒になります。 - 漬物
麹の甘みをお漬物にも活用すると、これまたとっても美味しいです。
夏場は脱水による食欲低下が多いので、塩分と共に酸味ある生野菜を取り入れられる糠漬けが食欲アップもしてくれていいです。逆に冬場は、少し味覚も欲する養分も変わったりするため、たくあんのような甘みの強いお漬物の方が美味しく感じられるように思います。
たくあんにはたくさんの砂糖を使いますが、麹の甘みを活用するとまた違った旨味も加わって糖質も下げられるのでとても良いです。
今年は即席キムチ漬けを作りましたが、そこにも少し麹を加えるとやっぱりフルーティーな爽やかな感じが加わって味わい深いです。
寒い時期も楽しむこと
この季節の移り変わりは、人生の浮き沈みとも捉えられたりします。
漢方を学び始めると、陰陽や五行というものの捉え方が重要になります。それを人の人生を観るために活用したのが四柱推命という占いになります。
そんな風に、自然哲学としていろんなことを捉えていくと、面白いなと思います。
こんな寒さの極にいる時にも、だからこそできる今の行動を大切にして楽しめることは重要なことだなと思うのです。
この寒さのおかげで、雑菌より麹という菌だけを培養しやすいこともあるだろうし。
雑菌の少ない時期に漬け込んだお味噌が、これからの暖かな季節も越えていくことで熟成されて美味しくなっていく。
そういう、シーンと静まった中で本当に大切なものの声を聴いて、それらを仕込んで大切に育む始まりの時であるといいなと思います。
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